平山工業が独自に開発した過給機カバーは、船の機関室にあるターボチャージャーに被せるもの。
通常、ターボチャージャーは稼働中に表面温度が約600℃という高温になりますが、この保温カバーによって約60℃まで抑えることが可能です。
耐久性にも優れていて、高温の機械に接していても強度は約2年間保たれます。
大きさや形は、機械によって様々。凹凸のある全体をしっかりと覆うために、製品ごとにオーダーメイドで製作しています。
従来の方法では、国内外の船に直接専門の技術者が派遣され、現場で機械に保温材を巻きつけていました。
しかし船は同じ場所に停泊しているわけではなく、作業には時間も手間も必要となります。
そこで平山工業では、簡単に装着・取り替え可能なカバーを開発。現場の船員が誰でも簡単に取り付けられる完成品を送ることで、スピーディーかつコストを抑えることにも成功しました。
さらにガラス繊維の素材は扱いやすく、従来の鉄の板金加工と比べても処分に手間がかかりません。
製図、ミシン縫い、保温材入れ、仕上げと、複雑な形のカバーは職人による手作業が欠かせません。
より現場で簡単に取り付けられるよう、デザインは何度も改良を重ねています。そして普段から目に見えるカバー部分だからこそ、保温性という機能はもちろん、見た目の美しさにもより一層こだわります。
現在は三菱の船舶用の過給機カバーが主体ですが、様々なメーカーの機械に対応可能です。
今後は高い技術力を生かしたオリジナル製品を、国内外で展開していくことを目指しています。
長崎市の公共工事や土木・建設工事、インフラ整備など、建設部門では生活を支える様々な業務に取り組んでいます。
市営住宅の修繕や水道補修なども請け負い、優れた現場対応力を発揮。
また社員の年齢層も幅広く、ベテランから若手まで、チームワークを大切にしています。
平山工業は炭鉱で栄えた池島で創業し、もともとは島の発電所のメンテナンスを行っていました。
閉山後には製造・建設事業にシフトし、時津工場を構えた後も、本社は池島。
人口減少や建物の老朽化が進む中で、島のインフラ整備のほとんどを今も担っています。
これからも、そこに一人でも住む人がいる限り、最後まで池島の暮らしを守り続けます。